代表的な金属加工の方法に切削加工と板金加工というものがあります。切削加工とは、主にブロック形状や丸い棒状の材料を削って目標の形に仕上げる加工です。一方板金加工とは、主に板状の材料を曲げたり溶接したりして目標の形に仕上げる加工です。
この二つの加工方法は得意とする分野や形状、製作にかかるコストなども大きく違うため、部品ごとにどちらの加工方法を選択するか検討する必要があります。今回は二つの違いを紹介し、どのように使い分ければ良いか、そのポイントをお伝えします。
・切削加工の特徴
切削加工は上にも書いたように材料を削ることで必要な形状にする加工です。素材には丸棒、角棒、フラットバー、6F材などと呼ばれるものが使われます。爪やバイスといった専用の工具で素材を完全に固定して、バイトやエンドミルといった刃物で削っていきます。
ミクロン単位での制御ができ、比較的高い精度で仕上げることが可能です。
・切削加工のコストは比較的高い
切削加工は専用の旋盤、またはフライス盤(マシニングセンタ)という機械に加工物(ワーク)を取り付けて加工します。また、専用の工具がいくつも必要になるため比較的コストのかかる加工法です。
材料を削る量が少ないほど、短時間で仕上げられるためコストを抑えられます。少し応用になってしまいますが、より一般的に流通している素材に合わせて部品の形状を決定することで、余計な加工をしないようにできます。
次回は、切削加工との比較をしながら、板金加工の特徴や選択のポイントをお伝えします。