前回は主に切削加工の特徴についてご紹介しました。今回は板金加工の特徴と、両者の比較をご紹介します。
・板金加工の特徴
板金加工は、主に板状の材料を曲げたり、溶接したりして目的の部品を作る加工方法です。材料は大きな板からレーザーカッターやタレパンといった機械を使用して取り出し、曲げや溶接を施して最終的な形に仕上げます。そのため多くの場合厚み10㎜以下の板が使われます。曲げ加工が必要でなく、溶接のみの場合はより厚い板を使う場合もあります。
また、様々な形状の材料を接合できるため、パイプやL型形状のアングル、C型形状のチャンネルといった材料も頻繁に使われます。
切削加工と比べると高精度に仕上げるのは難しく、形状や大きさにもよりますが0.5㎜~1.0㎜程度の誤差はあるものと思って対応する必要があります。
・板金加工のコストは比較的低い
切削加工と比べると、精度が出ない分、また長時間機械を占領する加工方法ではないため、コストは低く抑えられます。板状の材料を使うので、材料が無駄になることも避けられます。高い精度が必要な部分は切削加工で作り、それほど精度が求められないところは板金加工でといったようにうまく使い分けることで、必要な品質を維持しながら不要なコストを抑えて部品や治具を作ることができます。