加工や作業に使う治具は、一度でうまく仕上がる場合もあれば、開発段階などではうまくいくかどうかを確かめるために試作を必要とする場合もあります。
今回は試作をする場合に気を付けておくこと、考えておくべきことを紹介したいと思います。
類似の治具を開発または使用した実績があるか、完全に新しいものを作るのか
前例の全くないものを新しくつくるとなると、まず求めている治具をそもそも技術的に作ることが可能なのかというところから検討する必要があります。
そうなるとどうしても開発に費用も時間もかかるので、そういった想定をしておく必要があります。
一方、作りたいものの形状等は大きく違っても、求めている機能を満たしている既製品があれば、そこから着想を得て治具の構想を作っていくことができます。
治具を使う環境の整理
治具をどのような環境で使うのか、あるいはどのような環境では使わないのかということをはっきりしておく必要があります。
例えば、水分や塩分に触れる環境では、何らかの錆び対策が必要になります。素材として鉄は向かないという判断もあり得ますし、表面処理で対応するという手段も考えられます。
環境によって素材や形状が大幅に変わる可能性があるので、具体的に想定しておく必要があります。
どの要素が最も重要か
治具に対して求める主な要素にはいくつかの種類がありますが、大きく分けると使いやすさ、安全性、作業効率、精度、コストなどが考えられます。
これらの要素のうち、どれを一番重視するかということを最初に決定しておく必要があります。
以上のような点によって治具を試作する工程が大きく変わりますので、事前に検討してみてください。