金属材料はものによって材料として様々な形状のものがあり、うまく選択することで無駄な加工を減らすことができます。部品や治具、製品の設計段階からどのような形状の材料が使えるのか知っておくことで、コストを抑えることができます。
今回はそんな材料ごとの形状について紹介します。
どんな材料でもまずある丸棒、板材
どんな金属、どんな材料でも基本的にあるのは丸棒と板材です。ただし、一般的に流通している材料であるほど種類が豊富で、細い丸棒から太い丸棒、薄い板から厚い板まであります。
使いたい種類の材料に、ジャストサイズのものがあるかどうかチェックして、なるべく材料と仕上がりサイズのギャップが少なくなるように調整しましょう。
比較的流通しているパイプ材
次に、比較的流通している種類が多いのがパイプ材です。大きく丸パイプと角パイプに分類されます。パイプ材料は、比較的流通量が多いものの、どんな材料種でもあるというわけではありません。
ステンレス、アルミ、鉄のいずれの場合においても、代表的な材料種が流通しているというのが基本となります。ステンレスで言えばSUS304、アルミで言えばA5056やA6063、鉄ではSS400やそれに準じた材料となります。
高強度の材料や焼き入れできる材料は基本的に流通していないので注意が必要です。
意外と種類豊富、Lアングル、Cチャンネル
こちらも材料種はそれほど多くないものの比較的いろいろなサイズのものが流通しているのがLアングル、コの字型のCチャンネルです。適切なサイズを選ぶことができれば、材料費、加工費を大きく抑えることができるので、ぜひ使用をけんとうしてみてください。
種類は多くないがうまく取れれば加工の工程を減らせるフラットバー
こちらも代表的な材料種に限りますが、細長い長方形の棒状の材料としてフラットバーというものがあります。鉄ではSS400、アルミではA6063、ステンレスではSUS304で主に流通しています。
フラットバーは厚みと幅が決まっているので、適したサイズを選定することができれば、長さをそろえるだけで四角い材料として使うことができます。
材料の公差をチェックしておこう
今回説明したような材料を使う際に注意したいのが材料の公差、つまり公称の寸法に対してどれだけのプラスマイナスがあるかということです。プラスマイナスが大きい材料の場合、必然的に材料をそのまま使って高い精度を出すことはできません。精度がそれほど必要ないものであれば、そのまま使用しても問題ないですが、高精度にするためには材料面を削る必要が出てきます。
せっかく削る工程を減らすためにちょうど良いサイズの材料を選んだのに工程が増えてしまっては意味がありません。
材料を選定する前に、部品や治具に必要な精度と材料の公差を確認するのが良いでしょう。
いかがでしょうか。適切な材料形状を選ぶことで、加工工程を減らし、コスト削減につなげられることが理解できたかと思います。今回紹介した材料の中には、ネット上に該当するサイズのものがあるように記載されていても、実際にはほとんど流通していない場合もあります。どのような材料が入手可能でどのように選定すれば良いか迷ったらお気軽にご相談ください。