高強度のアルミ素材を使うことで軽量化を実現する

アルミ素材の品質の向上、コストダウンは著しく、以前は高価だった鉄(SS400)並みの強度を持つ素材も、広く普及するようになってきました。こういった高強度の素材を上手に利用することができれば、強度やコスト面を維持したまま、装置や治具、工具の軽量化を図ることができます。
治具などの軽量化は、安全性や作業効率の向上に直結するので、常に検討すべき課題です。今回は高強度のアルミ素材を使った軽量化を図る場合のポイントについて解説します。

・高強度のアルミ素材でも切削加工はしやすい
高強度の素材となると、加工が難しくなるのではないかという心配が出てきますが、切削加工においては通常の素材と遜色なく加工することができます。一方、同程度の強度を持つと言われている鋼のSS400などと比べるとむしろ切削加工はしやすく、削る部分が多い場合は、全体のコストが下がる可能性もあります。深い穴の加工が沢山ある場合や、深く掘りこむ加工がある場合はアルミ材への変更を検討すべきでしょう。

・溶接には向かない
高強度のアルミ材はつきが悪いなど、溶接にはあまり向いていません。強度に影響しない部分に限定するなど、機能的にも制限が加わりますし、作業が難しいとコストも上がってしまいます。ですから、部品の接続、締結はネジで止められるような設計にする、切削の一体加工で作ってしまうなどの対策が必要になります。

・腐食しやすい
高強度のアルミ素材は比較的腐食しやすく、代表的な表面処理であるアルマイトのかかりが悪いともいわれています。部品や治具の腐食などが気になる環境で使用する場合は、許容できる範囲にあるか検討する必要があるでしょう。

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材料の強度を飛躍的に改善する!熱処理のポイントとは②

前回はなぜ熱処理が広く利用されているのか、その概要をお伝えしました。今回は実際に材料や部品に対して熱処理を施すときに押さえておくべきポイントを解説します。

・素材は鋼(鉄系材料)を使用する。
部品の加工後に熱処理を行うことができるのは基本的に鉄を主成分に構成され、指定量以上の炭素を含む鋼と呼ばれる素材です。ステンレスも主成分は鉄であり、種類によっては熱処理を施すことが可能です。しかし、いわゆる炭素鋼ほどは一般的ではなく、処理も高額になりがちです。

・必要な硬度を検討する
変形や破損、耐摩擦性などを考慮し、部品や治具に必要な硬度を検討します。必要な硬度によって、熱処理に適した材質が変わってきます。

・寸法変化に注意する
熱処理をすることによって内部の組成に影響が出るため、処理後の部品には少なからず寸法の変化が発生します。その変化が部品を使用するにあたって許容できる範囲内であれば問題ありませんが、高精度を要求される部品の場合は熱処理後に研磨をするなどの対応が必要になります。
 寸法変化が好ましくない場合、要求される硬度がそれほど高くないのであれば、最初からある程度の硬度を持つ材料で加工する方が低コストでできる場合があります。

上記のようなポイントを意識しながら、熱処理を加工の選択肢に入れると、対応できる幅が広がりますので、ぜひご検討ください。

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材料の強度を飛躍的に改善する!熱処理のポイントとは①

製造した部品や治具が、変形してしまう、破損してしまうというトラブルは、工場や現場で良く起こるものです。もし、使っている素材が鉄を主成分とした鋼である場合、熱処理(焼き入れや焼き戻し)を上手に活用することによって、強度を改善できる可能性があります。
鉄(鋼)が材料として広く利用される理由の一つに、埋蔵量、生産量が多く、他の金属に比べて取り回しがしやすいということが挙げられますが、もう一つの大きな特徴として、熱処理によってかなり自在に硬度を変えられるということが挙げられます。
材料の硬さというのは加工のしやすさに非常に大きく影響します。特に切削加工の分野では、硬い材料だと加工時間が数倍になることも多く、時間がかかればかかるほどコストとして跳ね返ってきます。したがって、なるべく硬くない状態の材料を削りたいと考えます。しかし、十分な硬さがないと部品に大きな力がかかった際に曲がったり破損してしまったりと、必要な機能を果たせなくなります。
そこで、必要な形状に加工をした後に熱処理を施し、実際の使用に耐えうる硬度にする方法が取られます。ほとんどの場合、熱処理は元々硬度の高い材料を切削するよりも低コストで施すことができるため、様々な部品で活用されています。
次回以降は実際に熱処理を活用する際のポイントについてより詳しく解説します。

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切削加工と板金加工を組み合わせてコストダウン!治具や部品の形状を考える際に押さえるべきポイント②

前回は主に切削加工の特徴についてご紹介しました。今回は板金加工の特徴と、両者の比較をご紹介します。

・板金加工の特徴
板金加工は、主に板状の材料を曲げたり、溶接したりして目的の部品を作る加工方法です。材料は大きな板からレーザーカッターやタレパンといった機械を使用して取り出し、曲げや溶接を施して最終的な形に仕上げます。そのため多くの場合厚み10㎜以下の板が使われます。曲げ加工が必要でなく、溶接のみの場合はより厚い板を使う場合もあります。
また、様々な形状の材料を接合できるため、パイプやL型形状のアングル、C型形状のチャンネルといった材料も頻繁に使われます。
切削加工と比べると高精度に仕上げるのは難しく、形状や大きさにもよりますが0.5㎜~1.0㎜程度の誤差はあるものと思って対応する必要があります。

・板金加工のコストは比較的低い
切削加工と比べると、精度が出ない分、また長時間機械を占領する加工方法ではないため、コストは低く抑えられます。板状の材料を使うので、材料が無駄になることも避けられます。高い精度が必要な部分は切削加工で作り、それほど精度が求められないところは板金加工でといったようにうまく使い分けることで、必要な品質を維持しながら不要なコストを抑えて部品や治具を作ることができます。

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切削加工と板金加工を組み合わせてコストダウン!治具や部品の形状を考える際に押さえるべきポイント①

代表的な金属加工の方法に切削加工と板金加工というものがあります。切削加工とは、主にブロック形状や丸い棒状の材料を削って目標の形に仕上げる加工です。一方板金加工とは、主に板状の材料を曲げたり溶接したりして目標の形に仕上げる加工です。
この二つの加工方法は得意とする分野や形状、製作にかかるコストなども大きく違うため、部品ごとにどちらの加工方法を選択するか検討する必要があります。今回は二つの違いを紹介し、どのように使い分ければ良いか、そのポイントをお伝えします。

・切削加工の特徴
切削加工は上にも書いたように材料を削ることで必要な形状にする加工です。素材には丸棒、角棒、フラットバー、6F材などと呼ばれるものが使われます。爪やバイスといった専用の工具で素材を完全に固定して、バイトやエンドミルといった刃物で削っていきます。
ミクロン単位での制御ができ、比較的高い精度で仕上げることが可能です。

・切削加工のコストは比較的高い
切削加工は専用の旋盤、またはフライス盤(マシニングセンタ)という機械に加工物(ワーク)を取り付けて加工します。また、専用の工具がいくつも必要になるため比較的コストのかかる加工法です。
材料を削る量が少ないほど、短時間で仕上げられるためコストを抑えられます。少し応用になってしまいますが、より一般的に流通している素材に合わせて部品の形状を決定することで、余計な加工をしないようにできます。

次回は、切削加工との比較をしながら、板金加工の特徴や選択のポイントをお伝えします。

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