以前のコラムで、FCやFCDの鋳物の材料の違いについてお伝えしました。一方でこのような材料をどのように手に入れればよいか、わかりづらいですよね。
今回は鋳物材料の入手の仕方についてお伝えします。
鉄鋳物の入手方法は2パターン
丸棒やブロックで仕入れる
FCやFCDに代表される鉄鋳物の材料は2種類の方法で入手することができます。一つはデンスバーやマイティバーと呼ばれるような、鋳物の成分を棒材料にしたものから切り出す方法です。こちらは丸棒やブロック形状で入手が可能なので、型を作る時間や費用を削減することができます。
一方で、一般的にイメージするような仕上がりに近い形状のものを型に流して仕上げるものではないので、複雑な形状だと仕上げ加工に時間がかかります。
型を作って流し込む方法
もう一つは型を作って溶けた金属をそれに流し込む方法です。一般的に多くの方がイメージする鋳物の作り方です。こちらはデンスバーやマイティバーと比べると型の製作費用と時間がかかります。
一方で仕上がりに近い形状にできるので、材料の使用量を抑え、切削加工の時間を減らすことができます。
どちらの方法で入手するのが良いのか
鉄鋳物の場合上記の2種類の方法で材料入手の仕方を選べるわけですが、ではどちらの方法で入手するのが良いのでしょうか。これは大まかに以下のような分類が考えられます。
1.最終的に使う量で判断する
まず、数量がかなり少ない場合はデンスバーやマイティバーなどの丸棒、ブロック形状の材料を使用するのが良いでしょう。明確な境目を設定するのは難しいですが、10個以下の場合はデンスバーやマイティバーの使用を先に検討した方が良いです。
2.形状や仕上げの加工量で判断する
丸棒やブロックから削り出すと加工に長い時間がかかってしまうような形状の場合は、型を作って流し込む方法で材料を入手するのが良いでしょう。
3.アルミ鋳物、ステンレス鋳物の入手は型から起こす
アルミとステンレスについては、鉄のデンスバーやマイティバーに相当するものがありません。鋳物材料を検討する場合は型を作って流し込む方法で検討してください。
いかがでしたでしょうか。鋳物材料の入手はコストもかかり難しそうに思えますが、やり方次第ではコストを抑えることが可能です。
金属加工のことはよくわからない、相談する先が思いつかないといった場合は、鋳物材料を入手するところから提案できますのでお気軽にご相談ください。