既存の治具を改良するときに考えること

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表面処理の種類と目的を確認する
既存の治具の場合、部品にどんな表面処理がされているのかわからない場合がよくあります。
単純な傷や錆びの対策であれば、元々の表面処理と似た処理をしておけば問題なく使える場合がほとんどです。
しかし、潤滑性の向上や、特定の薬品に対する防食性の向上を目的としている場合、同じ処理をしないと問題が発生する場合があります。
調べるのに時間がかかる場合もありますので、できるだけ事前にどんな表面処理なのか明確にしておくと改良の際もスムーズに進められるでしょう。

治具の素材は詳しくわかっているか
部品の見た目と持ったときの重さ、軽くこすったときの硬さ、磁石が付くかどうかなどで大体の素材の見当をつけることができますが、完全に見分けることは難しいです。
例えば、鉄(鋼)であることはわかっても、それがSS400なのか、S45Cなのか、SKD11なのか判断することは、特別な試験をしない限り判断できません。
素材が正確にわからない場合、求められる機能、性能で近いものを選択することになるので、該当する部品がどのような使われ方をしているのか確認しておく必要があります。

硬さはわかっているか
部品の硬さも外見からは判断しにくいものの一つです。それほど硬くない素材であれば、現状のものと同等かそれより硬い素材を選択すれば問題ないことがほとんどです。
しかし、明らかに熱処理がされて硬度が高いものの場合、どこまで硬くすれば良いのか、靭性(粘り強さ)にどの程度配慮しなければならないかなどを検討する必要が出てきます。

使いにくいところや壊れやすいところを明確にする
治具を改良する場合、より使いやすくして生産効率を上げることが目的になると思います。
ですから、現状で使いにくいところはどこなのか、また壊れやすいところはどんなところなのか把握しておいて改良に臨むべきでしょう。

意外とちょっとしたところで既存の治具よりすごく使いやすくなったり長持ちしたりするようになるので、ぜひポイントを押さえて改良に取り組んでみてください。

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重い治具や装置の上下動に大活躍!定荷重ばね活用法

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重い治具や装置などを、上下に動かしたいときに、なるべく軽くできないかと考えることがあるかと思います。
そんなときは、定荷重ばねを使うと軽く動かせるようになります。

普通の圧縮ばねや引っ張りばねで重さを軽減するように取り付けるのも良いですが、コイルバネはあまり長いものがない場合が多く、長さによってかかる力も変わるので、必要なタイミングで十分なサポートができない場合があります。

一方定荷重ばねなら常にかかる力は一定で、ストロークも1mなど長いものが多いため、重たいものを直線的に上下動させる場合、常に重さを軽減させながら作業することができます。

軸に巻き付けるなどして、歯車と一緒に使えば、ストロークと引っ張る力の比率を変えて作用させることもできて便利です。

治具や装置を使った繰り返しの重たい作業が辛い、定荷重ばねでサポートできないか検討してみてください。

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プラスチックを治具に使う場合の注意点

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治具や部品、製品に使う素材としてまず思い浮かぶのは金属やプラスチックかと思います。しかし、たくさんある素材の中から果たしてこの素材で良かったのか、もっとコストを下げられたのではないか、と後で不安になることもあるかと思います。

樹脂を選ぶ場合の主な理由は、軽くする必要がある、製品を傷つけないようにする必要があるなどといった場合が多いかと思います。今回は、どのようなシーンで樹脂を選ぶのが適切か、その場合にどのような樹脂が適切かを、お伝えします。

樹脂と金属はどのように使い分けるか
それでは、具体的な状況も考えながら、樹脂と金属の使い分けを検討していきましょう。

・樹脂は安くはない
安いから樹脂にしようと考えることは多いと思いますが、樹脂はそれほど安くはありません。素材の価格だけで言えば圧倒的に安いのは鉄です。また、樹脂はものによって価格が大幅に変わるので、必要な機能とコストがどこまであうのかをしっかり検討する必要があります。

・金額は体積で考える
ネットや書籍で調べると、たいていの場合金属や樹脂の材料はキロ単価いくらという表現で価格が記載されています。ですが、実際に使う場合、重量当たりいくらかということよりも同じ大きさ(体積)でどちらが高いのか、安いのかを考えないと意味がありません。
ですから、キロ単価いくらではなく、例えば10㎝の立方体でいくらのような比較ができるようにしてください。

・多くの樹脂がアルミの半分以下の軽さ
樹脂の最大の特徴はその軽さです。これも材種によって違いますが比重で1~1.5以内に収まるものがほとんどです。これに対してアルミは2.7程度、鉄は7.8ほどなので、大雑把に言ってアルミの半分、鉄の6分の1ぐらいの軽さということになります(ステンレスは鉄とほとんど同じです)。
他の機能や価格より、軽さが最優先という場合はまず樹脂の使用を検討しましょう。

・切削は、削るだけなら簡単、正し精度を出すのは困難
切削に関しては、削るだけなら難しくありません。ただし、樹脂はバイスなどで固定するだけで簡単に変形してしまうので高い精度が必要となる治具にはあまり向いていません。

・曲げ・溶接は、一部の素材については可能、ただし専用の業者に頼む必要がある
曲げ、溶接は可能ですが、金属と同じようにはできませんので、ほかの業者に頼る必要があります。また、可能なものが少なく、溶接が難しいものは価格が高くなる可能性があります。
代表的なエンジニアリングプラスチックであるMCナイロンやPOMなどは溶接可能ですが、取り扱いのある業者はかなり少ないようです。

・材料費、加工費で安定しているのはアルミ
まず、材料費、加工費ともに安定しているのはアルミです。樹脂も安いものはありますが多くの場合アルミとステンレスの間ぐらいか、ステンレスよりも高くなります。したがって、スピード重視でまずは試作を作りたいという場合など、素材を十分に検討する時間がない、あるいはその必要がない場合はアルミで問題があるかどうかを考えればよいでしょう。

・寸法の安定性を求めるなら金属
樹脂は総じて引っ張り強さやヤング率などの機械的性質が金属より小さいです。また、水分を吸収しやすいなどの要因によって寸法が変わりやすいです。したがってある程度長期間寸法を安定させたい、高い寸法精度を出したいといった場合は金属が必須になります。
樹脂は柔らかいので、検査するのもの大変です。

・絶縁するならアルミか樹脂
電気に関わる部分で絶縁する必要がある場合はアルミか樹脂を使いましょう。樹脂は基本的にすべて電気を通しません。
アルミは地肌の状態では通電しますが、アルマイトを施すことで絶縁することができます。防食のためにアルマイトを施すことは一般的ですので、それほど問題はありません。

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治具の試作をするときにまず考えるべきこと

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加工や作業に使う治具は、一度でうまく仕上がる場合もあれば、開発段階などではうまくいくかどうかを確かめるために試作を必要とする場合もあります。
今回は試作をする場合に気を付けておくこと、考えておくべきことを紹介したいと思います。

類似の治具を開発または使用した実績があるか、完全に新しいものを作るのか
前例の全くないものを新しくつくるとなると、まず求めている治具をそもそも技術的に作ることが可能なのかというところから検討する必要があります。
そうなるとどうしても開発に費用も時間もかかるので、そういった想定をしておく必要があります。
一方、作りたいものの形状等は大きく違っても、求めている機能を満たしている既製品があれば、そこから着想を得て治具の構想を作っていくことができます。

治具を使う環境の整理
治具をどのような環境で使うのか、あるいはどのような環境では使わないのかということをはっきりしておく必要があります。
例えば、水分や塩分に触れる環境では、何らかの錆び対策が必要になります。素材として鉄は向かないという判断もあり得ますし、表面処理で対応するという手段も考えられます。
環境によって素材や形状が大幅に変わる可能性があるので、具体的に想定しておく必要があります。

どの要素が最も重要か
治具に対して求める主な要素にはいくつかの種類がありますが、大きく分けると使いやすさ、安全性、作業効率、精度、コストなどが考えられます。
これらの要素のうち、どれを一番重視するかということを最初に決定しておく必要があります。

以上のような点によって治具を試作する工程が大きく変わりますので、事前に検討してみてください。

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大型の治具を製作するときの注意点

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以前にも紹介しているように、より多くの作業を一度にできる治具を作った方が作業の効率は上がります。
そうすると、治具も大きなものを作りたくなりますが、大型の治具を作ろうとすると、大きい故の問題が起こることがあります。
今回は、そんなときに注意しておくポイントを紹介します。

治具が重くなる
当たり前といえばそうですが、治具が大きくなればなるほど重くなります。
しかも、アルミはまだ良いとして鉄やステンレスは少し量が増えるだけで簡単に人が持てない重量になってしまいます。
大型の治具を作るときは重量に十分配慮しましょう。

治具の精度が出しにくくなる
治具が大型化すると、加工した際の反りや、元々の材料のばらつきなど、精度面での問題が小さいサイズの場合より顕在化してきます。
高い精度が要求される部品などを加工する場合は、むやみに大型化しない方が無難でしょう。

材料費や加工費が高くなる
治具が大型化する分材料費や加工費も高くなります。1つのロット当たりの加工数が多い場合や何度もリピートが見込める場合は良いですが、そうでない場合は小さな治具でうまくいくことを試してから、量産が安定したときに大型の治具への変更を検討した方が良いでしょう。

効率を高くしたいがために初期のコストが大幅に上がってしまうと、治具代を回収するまでに時間がかかり、リスクも上がってしまいます。
効率とリスクのバランスを取れるように治具のサイズも検討してみましょう。

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小さな入力で大きな出力の治具を作るには

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人の手では扱うことが難しい大きな出力を出せる治具を製作したいと考えることがあると思います。
今回はこのような場合に使える治具の構造について紹介します。

てこの原理を使う
入力と出力の大きさを変える最も簡単かつイメージしやすいものはてこの原理でしょう。
レバーなどを人間が動かす場合、入力側から支点までの距離を長くし、反対に視点から出力側までの距離を短くしておけば簡単に大きな出力を得ることができます。
注意しないといけないのは、出力側の動く距離が相対的に短くなるので、必要なストロークに足りるかどうか計算しておくことです。

動滑車を使う
動滑車を使えば、チェーンや紐を引く距離は二倍になりますが、二倍の出力を出すことができます。
重いものを持ち上げるときなどは重宝するでしょう。

歯車を使う
歯車を使った動力の伝達は最も種類が多く、様々なケースで使うことができます。
歯車の大きさを変えることで入出力に違いを持たせることができます。
また、軸の向きも変えることができるので、応用範囲は非常に広くなります。

当社でも歯車を使った治具を製作することは何度もあり、様々な場面で活躍しています。
ただし設計は若干複雑になるので、事前に十分な検討が必要です。

意外と簡単な原理でも出力は変えられるので、いろいろな方法を試してみてください。

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アルミ材料を治具に使うときの注意点

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アルミ材料は軽く、切削加工がしやすいので、精密な治具を製作する場合に重宝します。
ただ、治具の用途によってアルミが向かない場合もありますので、以下の注意点を参考に、適切な材料を検討してみてください。

アルミは柔らかい
アルミは、鉄やステンレスと比べて柔らかい素材です。
アルミより硬いものを繰り返し脱着するような場合は、すぐに変形して使えなくなってしまう可能性があります。
特に精密さが要求される治具の場合、アルミより硬いワーク(対象物)等が当たる部分には使うのを避けた方が良いです。

ネジ部分が壊れやすい
上記の特徴とも関連しますが、アルミは鉄やステンレスよりも強度が低いため、メネジ部分が壊れやすいです。
ネジを使うところは鉄やステンレスに材料を変更するか、ネジ穴を補強するヘリサートやエンザートといった部品を利用しましょう。

アルマイトは均一にはかからない
アルミの表面処理として代表的なアルマイトですが、素材に均一に膜ができるわけではありません。
特に精密さが要求される穴や軸がある場合や、厳しい平面度が要求される場合、アルマイトでは精度が保てない場合があります。

最近は強度の高いアルミも流通してきていますので、そういった材料を使えば強度の問題はある程度解決できますが、材料費も高くなるので、上記の特徴を頭に入れて治具に最適な材料を選択してみてください。

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複数個同時に加工する治具を製作するときのポイント

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マシニングセンタ等で一度に同じ部品を何個も作りたいと考えることはよくあると思います。
特に、1ロットで100個以上、何度も繰り返し注文が入るような部品を作るときは、複数同時に加工できる治具を製作したいと考えるでしょう。
今回はそのような治具を作る際に気を付ける点を紹介します。

工程はいくつあるか
一度に1個加工するための治具を製作する場合も同様に考えますが、1つの部品を作るのに何工程必要か、最初に洗い出します。
複数個同時加工の場合、大抵は大きな板や棒から切り分けて最終的な部品に切り分けていくので、最初は加工できない面も出てきます。
加工する順番は1個だけ加工する場合より制約が多くなりますので、問題がないかよく確認しておく必要があります。

ワーク(対象物)をどこで固定するか
上記の点ともかかわりますが、加工が進むにつれて、治具に固定できる面や位置が変わっていきます。
板の場合だと、最初はバイス(万力)で掴むか、端の方を爪で押さえるかなどしなければなりませんが、穴を開けてしまえばネジで止めることもできます。
部品そのものに固定用の穴が明く場合も多いので、その穴を活用して治具に固定できると工程を集約しやすくなります。

切りの良い材料のサイズはどれか
金属や樹脂の材料には規格があり、厚み、幅、長さは5㎜刻みや10㎜刻みでしか手に入らない場合がほとんどです。
マシニングセンタであれば、テーブルに入るなるべく大きなサイズの中で、材料が無駄にならない配置を考える必要があります。
部品の最終的な仕上がり寸法、設置できる治具の寸法を考慮しながら、無駄のない規格の材料を選ぶことが重要です。

複数個同時に加工できる治具を製作できれば、一気に生産効率が上がりますが、段取りや材料のサイズなどを間違えると工程から見直し、治具も全部作り直しということにもなりかねません。
上記のポイントに配慮しながら製作を検討してみてください。

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より効率の良い治具を製作するためのポイント

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新しい治具を製作すれば、これまでできなかった作業ができるようになったり、作業をより効率化できたりしますが、更に使いやすく、効率的な治具にするために、押さえておくべきポイントを紹介します。

治具の適切な重量を検討しておく
治具は大きく分けて人が持って使う場合と台などに置いて使う場合、機械などに設置する場合に分かれます。
設置して動かないようにして使う場合はあまり問題になりませんが、持って使う場合や動かす可能性がある場合はなるべく許容できる重量を明確にしておくべきです。
特に、持って使うときに思ったより重いということはよくありますので、この重さなら大丈夫と感じるより少し軽いぐらいの重量を調べておくと使いやすい治具にできます。

一度になるべく多く作業できる治具にする
同じ作業を多く繰り返すようにすればするほど、作業効率は上がります。
意識しないとどうしても1個ずつ作業する前提で考えてしまいますが、スペースに余裕があるなら同じ作業を同時に何回もできるような構造にできないか検討してみましょう。

ワーク(対象物)の移動や交換の時間を短くする方法を考える
何度も同じような作業を繰り返すときに、ワークを移動する時間、交換や脱着する時間はばかになりません。
ワンタッチで脱着できる、治具と治具の間を移動する距離を短くするなど、段取りの時間を短くすることで、治具を使った作業の効率を上げることができます。

細かい治具の使い方を見直していくことでより作業効率を上げることができるので、ぜひ検討してみてください。

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治具が納品された後に修正は可能か

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治具の製作が完了し無事納品されても、一度の試作で完全に満足のいくものができあがるとは限りません。

作られたものをすべて破棄して全く新しいものを作り直してもらうのはなかなか難しいですが、一部の修正なら対応してもらえることもあるので、満足いかない点があったら問い合わせてみるのも良いでしょう。

例えば、軸として使う棒の動きが悪く、もう少しスムーズにしたいときなどは、軸や穴を少しだけ削って修正することができる可能性があります。
他にも、不要な部分を削って軽量化したいといった場合にも、対応してもらえる可能性があります。

依頼する側からすると、大幅な変更のように思えて対応してもらえるか不安になる場合もあるかと思いますが、意外と少しの修正で動きが良くなったり、使いやすくなったりする場合があります。

もし治具の直したいところがある場合は、修正できるかどうかだけでも聞いてみるとスッキリするかもしれません。

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