鋳鉄の代表的な材質といえばFCとFCDですね。名前は似ていますが、材料特性や使い方は少しずつ異なるので、今回はそれぞれの違いについて説明したいと思います。
目次
FCはねずみ鋳鉄、FCDはダクタイル鋳鉄
FC200やFC250といった素材はねずみ鋳鉄と呼ばれ、鋳造ではないS45Cなどの炭素鋼と比べると粘り気がなく脆いというのが特徴です。
FCDで始まる素材はダクタイル鋳鉄と呼ばれ、FC材に比べて耐摩耗性や機械的強度が高くなっています。特にFCD600以上になると硬度もかなり高くなります。
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切削性は大きくは変わらない
一般的に流通しているFC材とFCD材では、それほど切削性に大きな差はありません。強いて言えばFC材の方が若干削りやすいようです。ただし、上にも書いたようにFCDは600番台を超える辺りからかなり硬くなってきます。FCD700ともなると非常に硬く削りにくくなるので、番号の大きい素材を検討する場合は加工コストにも注意した方が良いでしょう。
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流通していない素材に注意する
FC材もFCD材も、どちらにも共通することですが、一般的にほとんど流通していない鋼種があります。FC材の場合はFC200やFC250は良くありますが、FC300はあまり流通していないようです。FCDの場合はFCD450、FCD500はよくありますが、FCD600以上になると特注となってしまうことが多いようです。特注となると、最低何トン生産しないといけないというような取引になってしまい、材料代だけで非常に高額になります。一般に流通していない鋼種での生産を考える場合は、試作の前の段階から材料の費用をよく検討しておく必要があるでしょう。
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